日本の文化と鰻のはなし

 古くから日本人は雪の結晶の事を雪の花、六華、銀花などとたたえ、美しいものとして見て来ましたね。私共でも豆腐のしぼりかす「おから」の事をこの時期「雪花菜(きらず)」と呼びます。

 春になり暖かくなると同じおからを「卯の花(うのはな)」と呼び、季節の移ろいを少し楽しんでおります。きっと暖かくなるのが待ち遠しいのでしょうね。

 毎朝1時間に90匹くらいのスピードで鰻を割き、白焼にするために串を打ちますが、その仕込みに約4~5時間かかります。もっと良い方法があるのではと思う時もありますが、この方法こそ美味しい鰻を召し上がっていただく最高の方法だと信じ、相変わらず同じ事を繰り返しております。

 お客様にとって思い出の味になっていただければと願い、今日も火床の前に立っております。