鰻蒲焼の味わい方のはなし
蒲焼をおいしく食べるには、第一に鰻が良くなければなりません。鰻に限らず食品にはすべて「シュン」がありますが、現代ではその「シュン」さえも疑わしくなってまいりました。加えて、このはっきりとしない世の中で私たちははたして「シュン」と共に本物と言われる食品を食べることが出来るのでしょうか?考えさせられてしまいます。
蒲焼は特に熱いうちに食べるべき料理なのに、鰻屋へも行けず、持ち帰って食べなくてはならない事は、お客様にとっても鰻屋にとっても実に残念なことですね。
その昔、冷めた蒲焼を少しでも美味しく食べるために「土鍋にいい酒を沸かしアルコールを飛ばし、そこへ蒲焼を入れて約1分、引き上げたら静かにタレをかけて食べる」と記されておりました。お試しあれ。
一日も早く風味豊かな熱々の蒲焼をお客様にさしあげたいと願い、今日も火床の前に立っております。