鰻を日本一食べたのは誰?のはなし
「もろびとのふかき心にわが食(し)みし鰻のかずをおもふことあり」。これは歌人斎藤茂吉が鰻を題材にして最後に詠んだ歌です。
世には様々な思いと考えがあり、何をもって日本一と言えるのか賛否はありますが、茂吉研究家の林谷廣氏の計算によると、昭和16年には96回、2日続けてどころか3日も4日も、時には5日も続けて食べていたそうです(林谷廣著「茂吉と鰻」より)。満79歳9か月であの世に旅立つまで、いったいどの位鰻を食べたのか、ご本人すらわからないでしょう。
いづれにせよ数々の鰻にまつわる歌やエピソード、はたまた彼の日記など拝見する限り、日本一鰻を食べたのは斎藤茂吉なのでは?と私は思います。
茂吉の日記には「鰻のおかげで仕事がはかどった」と記されております。皆々様、どうぞ鰻で残暑を乗り越えてください。
手を掛けて毎日している仕事に、意地と誇りを持って今日も火床の前に立っております。