鰻の食べ合わせのはなし
鰻と梅干しとは食べ合わせが悪いと言われて来ましたが、これは全く根拠のない話です。
梅干しには沢山のクエン酸が含まれていて、保存性も高く、食欲をそそります。そして、何よりも鰻の持つ栄養を人体に吸収してくれるためのお手伝いをしてくれています。ですから、決して悪い食べ合わせではないのです。
ちなみに、生で魚を食べることを好む日本人でも、鰻だけは決して刺身や洗いなどでは食べません。これは鰻には溶血作用を持つ血清毒が含まれていて、傷口にこれが入ると化膿するからです。毒消しと言われている粉山椒を蒲焼に振りかけるのもこのことからです。
炭火に生の鰻をかざし、中心温度が70度、蒸して100度以上に上げ、この血清毒を除く方法が私共の技法です。
目にも老化防止にも効果のある鰻を安心して食べて頂きたいと願い、今日も火床の前に立っております。