鰻の骨・鱧(はも)の骨のはなし
夏のごちそうと言えば鰻の蒲焼、西に行けば鱧(はも)と、どちらも古今東西を問わず、何を食べてもおいしくない真夏の元気のもとですね。特に鰻は精の付く魚として正に日本人の国民食ではないでしょうか。
鰻にも鱧にもY字形の小骨があります。鱧の骨切り「一寸(約3.3cm)に24回入れるのが理想」は皆さんご存じだと思いますが、鰻も骨切りをします。
そのやり方は各お店によって様々、私共では鰻をさいたあと、縦に幾重にも細かく包丁を入れ、更にあばら骨を取り、背びれ、腹びれも取り除きます。あと、身に残った細かい骨は炭火で焼く時に発生する電磁波によって鰻の持つ水分とショートさせ、160度以上にし、カルシウムを破壊しようとしておりますが、個体差のある鰻、全部が全部思うようにはならず、小骨が残ってしまいます。
召し上がる時、少し気を付けていただければと思いつつ、離乳食にも安心して入れていただける事を目指し、今日も火床の前に立っております。