鰻の皮のはなし
晩秋を迎え、山々の木々もすっかり秋模様。朝晩の寒さに私も作業服を厚手の作務衣に変えました。
鰻も7~8年の間淡水域で暮らし、成魚になると水温の下がるこの時期に、雄も雌も産卵のため海へと向かいます。
活動期にあった表面のヌルヌルもこの時期にはやや薄れ、下にあった鱗(うろこ)が浮き出て表皮が長旅に備え変化して参ります。私たちが旅行や寒さで一枚余分に羽織るのとどこか似ていますね。
ところが、今や養殖全盛期、池で育てられた鰻にはこのヌルヌルが一年中あります。そのヌルヌルはとったもおいしく、高温の炭火にかざすと最初に火が通り、パリッと白く薄く焼けます。
単に鰻に火を通すだけでなく、どう美味しく焼き上げればいいのか、この辺に技術があるのでは?と考えつつ、今日も火床の前に立っております。

