鰻と鮎のはなし
以前、鰻は海水、淡水どちらでも生きられる特殊な体質を持っている話をいたしましたが、鮎も同じような対応性を持っております。
産卵場所は、鰻は海深い海溝、鮎は河口の瀬とそれぞれ異なりますが、その後の生態系にはどこか似たところがあります。海水と淡水双方で生きることのできる鰻と鮎、おいしさの秘密がその辺にあるのではと思っております。
私どものお店では、例年鰻を焼いたあとの炭火で鮎を焼き、いろりの周りに立てかけております。日本の河川環境は、鰻や鮎にとって決して良好とは言えませんが、そのおいしさを引き出し、お客様に召し上がっていただく事こそ、私どもの仕事と考えております。
栄養価の高い鰻で免疫力を高め、元気にお過ごしいただきたいと願い、今日も火床の前に立っております。