シラス鰻のはなし

 3月になり、南の方から花の便りもちらほらと。昨年晩秋から始まったシラスウナギ漁もいよいよ終盤を向かえております。

 今年は昨年に比べ豊漁なのですが、一部の池に未だ鰻が残っており、養殖の基となるシラスウナギを入れられないところがあるようです。

 私共では、一年間良質の鰻をお客様に召し上がっていただけるよう、問屋さんと共に仕組んでおりますが、シラスウナギの豊漁による値下げにはまだまだ至っておりません。

 高値どまりで申し訳ありませんが、海中にも淡水にも生き、特別な価値を持つ鰻、食材としての豊かさだけでなく、文化的な豊かさをも求め、ウェルビーイングの心根を忘れない鰻屋でありたいと思い、今日も火床の前に立っております。