「鰻と信仰」のはなし

 近しい人々が互いに行き交い親しく睦み会うがゆえに「睦月」といわれている一月が過ぎ、草木もよみがえろうとする「如月」二月を迎えました。

 皆々様、初詣には行かれましたか?私どもの店の入口には鰻を神の使いとしてあがめている京都三嶋神社のお札が奉られております。聞くところによると、全国に三嶋神社を社名とする神社は700~1000社ほどあるとか。そしてそのほとんどが鰻を神の使いとし、水害の多い地域にあり、鰻が洪水の際に現れる事から水の神としてあがめられ、天地異変の際、慈悲をもって救難を救う仏であると言われております。

 また、三嶋神社には鰻の絵を描いた鰻絵馬があり、二匹には子授祈願、三匹には安産をと願いが込められ、参拝者の手によって奉納されております。

 鰻の恩恵を心身ともにいただきながら「無病息災」皆々様と共に限りなく平和で過ごせるように祈願しながら、今日も火床の前に立っております。