鰻の個性のはなし

 昨年末より飼い始めたシラス鰻が今年7月にはその多くが成魚となり次々と池上げされました。

 鰻屋にとって1年で一番忙しかった夏も過ぎ、気が付けば早9月。鰻を裂きながら見る店の前の稲穂もすっかり頭が垂れて来ました。

 柔らかくほとんど同じ肉質だった夏の鰻もこの時期になるとそれぞれ個性が出てきます。

 その肉質や顔つきまでもが一尾一尾違ってきますので裂き、刺し、焼くという一連の作業もそれぞれに合った加工方法が必要となります。

 鰻と向き合ってまもなく60年、鰻の持つ神秘さにこれからも挑戦です。

 「鰻はやっぱりおいしいね」と言ってもらうには?と考えつつ、今日も火床の前に立っております。